想いは知識を超えて
F-CON事業への偏見
突然だが、私は数学や物理なんかの理系科目が壊滅的に苦手だ。専門知識もない。学生時代の数学のテストは常に30点台(もちろん100点満点)だし、物理の教科書は一行目を読んだ瞬間から寝た。あまりにすんなり眠れるものだから、寝る前の愛読書となった。
だからFUTAEDAの看板商品、風のないエアコン、F-CONを取材すると聞いたとき、いったいどれほどの理系のプロフェッショナル集団がこの製品に関わっているのかと身構えていた。そして同時に、「理系に強くない私には、縁のない話だろう」とも思っていた。結果的に、そんなことは全くなかったのだが。
俺たちがF-CONチームだ!
「F-CONチームは何人いらっしゃいますか?」恐る恐る挙手をし、確認する。そして度肝を抜かれた。返ってきた答えは「10人程度……ですかねぇ?」だったからだ。なるほど、10人……「え、10人!?」思わず声が出てしまった。「100人くらいかと予想していました……。」続けて本音が出てしまった。よく言われます、とF-CON開発に当初から関わっているという今回の取材相手・宮本直幸さんは朗らかに笑った。
理系?文系?関係ない!
10人程度……ならば余程、理系に特化した人材が集められているに違いない。少人数精鋭、そうだそれだ、そうに違いない!F-CONチームはその分野の専門の方が集まっているんですか?もちろん聞きました。さらに宮本さん、「いえ、私は物理学科ですけど、大学での内容は直接関係ないですし……他には農学部、商学部、……あ、文系もいますよ。」なんと……つまり、理系が壊滅的に苦手な私もこの商品に携われる可能性があるということだ。ちょっと親近感が湧いてきた。
知識<やる気
「FUTAEDAは、理系だなんだっていう技術力よりも、チャレンジ精神を大事にしているんです。私も大学院1年生だった当時、社長と話して、なんだか面白そうなことをやろうとしてる会社だなと、チャレンジ精神に火がつきました。」「なるほど、F-CON事業駆け出しの時期に、宮本さんは社長と出会い、そして卒業、そのままFUTAEDAに就職したんですね?」「いえ、社長と出会ってすぐに大学院中退して、就職しました(笑)。」学位よりもやりたいことがある――宮本さんは落ち着いた見た目からは想像できないほど、大胆な人間だった。
やりたいことはあるか?
FUTAEDAが第一に求めているのは、製品の知識を持った人間ではない。その会社でやりたいこと、実現したいことがある、熱意を持った人間だ。理系だろうが文系だろうが関係ない。大事なことはただ一つ、「FUTAEDAで何に挑戦したいか」!やる気があれば、知識は後からついてくる。FUTAEDAに持ってくるものは、それだけだ。